君のプレゼント

AN(中1)

クリスマスの物語2


僕は、サンタさんに、友達が欲しいと願った。僕には、友達がいなかったからだ。誰かと話したくても、誰も話しかけてくれなくて、僕を気味悪がっている。なぜなら、僕は、あまり人が好きじゃないから。だから、僕は、なんでも話せる友達が欲しかった。

クリスマスの物語1


ある日僕は、気分転換に、外へ出た。外に出ると、雪が降っていた。顔に雪が落ちてきて、冷たく感じた。すると、赤い手袋が目に入った。僕は、その手袋を拾い、持ち主を探そうとした。僕は、雪の中を彷徨い続けた。

クリスマスの物語3

すると、一人の子が話しかけてきた。

「あの、その手袋……」

手袋について問いかけてきた。

「あ、君の?」

「そうだよ!」

「落ちてたから、はい、どうぞ」

「ありがとう!」

「じゃあ、これで、」

僕は、家に帰ろうと思った。

「あのっ、!」

彼は、僕に話しかけた。

「ほんとにありがとうございました!これ、大切なものだったんで!」

「良かったです!」

僕は、拾って良かったと思った。きっと、この手袋は、彼にとってとても大切なものだったんだろう。僕は明るい気持ちで家に帰って行った。

クリスマスの物語4

家に帰ると、お父さんが、

「今日は、お前に紹介したい子がいるんだ!年下だけど、仲良くなれるはずだよ!」

と、言ってきた。僕は、仲良くなれるか不安だった。

「じゃあ、ちょっと待ってろ!呼んでくるから!」

「……うん」

僕は、あまり乗り気ではなかった。いままで、仲良くなれる人はいなかったからだ。

「ほら、この子だよ!」

お父さんが言った。僕は目を見開いた。

『あ!さっきの!』

僕たちは、いっせいに声を上げた。

「知り合いか?ならよかったよ!」

「さっきはありがとうございます!」

「良かったよ!見つかって!」

「あの、僕は、友達がいないんだ、だからその、」

「君と友達になりたい!」

そうして、僕は、初めての友達ができた。

解説

「あまり人が好きじゃない」と感じながらも、「なんでも話せる友達が欲しい」と願う主人公。
この物語は、そんな矛盾した気持ちを抱えた心から始まります。

主人公は、人付き合いが得意ではありません。
けれど、道に落ちていた赤い手袋を拾い、その持ち主を探そうとする――
その行動から、彼が「誰かのために動ける優しさ」を持っていることが伝わってきます。

人と関わることは、ときにとても怖いものです。
ほんの一言、ほんの一瞬の出来事で、距離が生まれてしまうこともある。
けれどその一方で、ほんの小さなきっかけが、関係をつなぐこともあります。
この物語では、その“きっかけ”として、赤い手袋が使われています。

手袋に導かれるように出会った二人は、他人だからこそ、素直に親切を交わすことができました。
相手が喜ぶ姿を見て、主人公の心も少し明るくなっていきます。

そして再会の場面――
『あ!さっきの!』と二人が声を上げる瞬間は、この物語で最も幸福な場面でしょう。
それは、主人公が初めて“友達になる一歩”を踏み出した瞬間でもあります。

サンタクロースのプレゼントは、もしかするとこの出会いそのものだったのかもしれません。
願いは、物やお金の形で届くとは限らない。
人と人がつながる、ほんの小さなきっかけこそが、いちばん大切な贈り物なのだと、あらためて気づかせてくれる物語です。

塾長

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