12月8日に寄せて(ジョンと龍馬と、僕らの未来)
12月8日。この日は、不幸にも太平洋戦争が始まってしまった日であり、そしてまた、平和を歌い続けたジョン・レノンが凶弾に倒れた日でもあります。
毎年この時期になると、自然と彼が歌った『イマジン』のことを考えます。
ここ最近は、12月8日だからといっても、以前ほどラジオやテレビで流れない気もしますが、それでも誰かが語り継いでくれる限り、この曲は消えません。
ジョン・レノンは「聖人君子」ではなかったかもしれません。
けれど、彼の本質はミュージシャンであり、残した曲こそが彼そのもの。
だからこそ、『イマジン』という一曲は、彼を語るうえで避けて通れない大切な存在です。
今日は、人となりよりも、この曲そのものについて少しだけ書いてみたいと思います。
◆『イマジン』が思い出させてくれるもの
もしも『イマジン』の世界が実現したら、世界から「国境」がなくなってしまう。
そのことを考えると、僕はいつも坂本龍馬を思い出します。
江戸時代、多くの武士は「自分の藩」こそが自分の国でした。
そんな時代に、龍馬は誰よりも早く「自分は日本人である」と言ったそうです。
司馬遼太郎によれば、彼は“藩”という枠組みを超えて、「日本」というもっと大きな単位を意識していた数少ない人物でした。
ジョン・レノンの『イマジン』は、そこからさらに一段階上へ行きます。
「その国境さえも、もういらないんじゃない?」
龍馬が藩を越えたように、今度は僕らが枠組みをこえる番なのかもしれません。
「アメリカ」「日本」ではなく、「地球」という枠組みで生きていく未来。
荒唐無稽に聞こえるかもしれないけれど、日本では一度“枠を広げること”に成功しているのです。
残念ながら多くの血が流れてしまったけれど。でも今度は2度目です。
ならば、今回はもっとうまくやれる可能性はあるはずです。
◆迷ったら、また『イマジン』を聴けばいい
もしも希望を見失ったとき、迷ったとき。
そんなときこそ『イマジン』を聴けばいい。
この曲を心から愛することができれば、ジョンの夢は僕らの夢になり、
そして「イメージできるものは実現できる」――その言葉を信じる勇気が、生まれてくる気がします。
12月8日。
戦争が始まってしまった日であり、『イマジン』が最も思い出される日。
せめて今日くらいは、平和について祈りたい。
僕らはきっと、一つになれるはずだから。
◆最後に。『イマジン』の一節を贈ります
「君は僕のことを、夢ばかり見ている奴だと笑うかもしれない。
でも、そう思っているのは僕ひとりだけじゃないんだ。
いつか君も、仲間になってくれたらいい。
そうすればきっと、世界はひとつになる。」
(『Imagine』 John Lennon & Yoko Ono/意訳)

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