冬の音
AN(小6)
冬の音が私は好きだ。特に、雪がふわりと舞い降りる音は、まるで自然が絵を描くかのように静かで心地よい。また、寒い朝に耳を澄ますと、遠くの子どもたちの笑い声や、雪だるまを作る音が聞こえてくる。彼らの無邪気な声は、冬の寒さを忘れさせてくれる温かさを持っている。
夜になると、静けさが訪れる。街の明かりが柔らかく雪を照らし、ほんのりとした光の中で、冷たい空気が漂う。そんな時、遠くの犬の鳴き声や、家の中から漏れ出る笑い声が、冬の静けさを和らげる。暖かい家の中で、家族と過ごす時間が、冬の音の中に溶け込んでいるのだ。

解説
「冬の色」「冬の音」「冬のにおい」「冬の手触り」のいずれか、あるいは複数を題材にして作文を書く、という課題に対して書かれたものです。
ANさんの書く作文は時に詩的な美しさを感じさせてくれます。
例えば「雪がふわりと舞い降りる音は、まるで自然が絵を描くかのように静かで心地よい。」に注目してみましょう。 雪が舞い降りる音は人間の耳にはほとんど聞こえません。そのことから、この一文を響きの良い言葉を並べただけだと思う人がいるかもしれません。しかし、降り積もる雪が世界を真っ白に包み込んでいく様子を想像しながら読んでみると、この一文が静かに降る雪の情景を繊細に描いていると分かります。その光景は、あたかも自然が(あるいは空が)雪を画材に白い絵を描いているかのようです。そこには読む人それぞれが持つ雪景色のイメージによって、様々な美しい風景が浮かぶことでしょう。
後半では、さらに想像力を膨らませてみます。おそらく、これは都会ではない、どこかの街の冬の夜。静まり返った街を一人で歩いていると、遠くの家から幸せそうな笑い声がそっと聞こえてきます。その瞬間、冷たい空気の中にほんのりとした温もりを感じ、心が和らぐような気持ちになるかもしれません。
文章が生み出す空間を想像し、その世界の中に入り込んでみると、ANさんの描写は立体的で、散りばめられた描写から、音だけではなく光や温度すら感じられます。言葉の選び方も、表現される情景も、小学6年生とは思えないほど詩的で美しい。
この豊かな感性を持ち続けながら、中学生・高校生と成長していく中でさまざまな経験を重ねていったら——どんな文章を書いてくれるのか、今から楽しみですね。
塾長
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