信号の青の意味
AN(小5)
私は友達とけんかした。これは多分、一生仲直りできないかもしれない。そんな大事のことだ。私は怒りに満ちあふれた。私は心の中で、一生話さない、と決めた。授業などで目を合わせると、気づかないふりをした。そんな日々が一週間近く続いた。しばらくすると他の友達から「仲直りしないの?」など言われた。「大丈夫」などと返事をして家へ向かった。
昼になったから塾へ行こうとした。空を見上げると、けんかした友達のことを思い出した。あの子は私の相談にいつでものってくれた。そんな中、空をもう一回見上げ「前向き」になろうと思った。
「許すこと」をテーマに自由に書いてもらいました。
小学5年生の女子らしい出来事と感情が溢れていて、思わず「実際の出来事を書いたの?」と確認をとってしまいましたが、創作だそうです。喧嘩をして目を合わさないとか、気付かないふりをするとか、やってしまいそうだけど、やってしまったとしたら人に言いづらいことが、さらっと書かれていて感心します。フィクションの中とはいえ、ちょっと格好悪い自分を書けるようになってきたことに進化を感じました。
そして、「許すこと」がテーマとは言え、まだ小5のANさんが怒りが消えていく感覚をちゃんと知っていて、それを文章にしてしまったラストシーンには驚きました。主人公が見上げる空の青に掛けてつけたタイトルも素敵です。
短いながらも、今後が楽しみになる作品となりました。
塾長