皆さんは、何かを考える時、何語で考えますか?
もしも日本語で考える方であれば、国語力は間違いなく全ての思考の支えとなります。だからこそUEDA学習塾では国語力をもっとも大切なものと考えています。しかしUEDA学習塾では、当塾が一般的な学習塾だった頃から、国語という科目がありませんでした。代わりに作文という科目があったからです。
では、なぜ国語ではなく作文なのでしょう。
少人数制を特徴とした学習塾として一人一人に合う授業とは何かを模索していた頃、ある小学生のお母様から作文を教えてほしいというリクエストを頂きました。当時はまだ、一般的な塾用の教材を使って国語の授業を行っていたのですが、中学受験に必要とされる書く力をつけるためには、何かが足りないと感じていました。そこで、思い切って小学6年生の国語を2カ月限定で作文に変えてみたのです。
2カ月後、そのクラスの生徒3人は予想外にも作文を楽しみ始めていました。私自身まだ作文の教え方に対するノウハウがなく、今思えば厳しすぎるくらい何の遠慮もなく添削していたにも関わらずです。書いても書いても、赤ペンでざっくりと削られ、直されるという具合です。それでも、彼らは書くことが好きなように見えたのです。同時に、国語という科目に対して積極的に挑む姿勢が見え始めました。問題集を解いているだけの時には苦手だった物語文の設問に対する理解も深まりました。なぜなら感情に合わせて自分ならどんな行動をしたり、発言をしたりするか、作文を書く中で考えていたからです。
そして3人の国語の時間は、彼らが卒業するまで作文の授業になりました。
時は流れ、全ての国語の授業は作文の授業として生まれ変わりました。さらに試行錯誤は続きます。互いに刺激し合えることを重視して作文に関しては少人数制をやめたり、より自由に自分を表現することを目指し創作を中心に行うクラスが生まれたりしました。内容的にも、直接五感で感じたものを書くために季節ごとの散歩を取り入れたり、起承転結をそれぞれ別の人が書くリレー作文をしてみたり、常に変化してきました。2015年からは作文クラスのみの作文専門塾として活動してまいりました。
ただ、一貫して思うのは、子供達は皆、伝えたい、表現したい何かを持っていること。それを引き出すために作文が有効であるということ。そして作文を通して、自分を表現し、自分と向き合うことは、国語力を身につける上で非常に有効だということです。
UEDA学習塾に国語という科目が無かった理由は以上の通りです。
他の科目への影響
作文で身に付けた国語力は、数学の問題文を理解する力となり、英語の長文を把握する力となり、やがては全ての科目の助けになるはずです。そして、作文で自分の気持ちを正確に伝えられるようになることで得たコミュニケーション能力は、社会人になっても強い武器となるでしょう。
オンライン作文塾として
さて2020年より、UEDA学習塾は社会情勢を考慮し、教室での対面授業を終了し、Zoomを使用してのオンライン塾に生まれ変わりました。今後はこれまで同様に日々試行錯誤を重ねながら、オンラインの環境を活かした作文塾となれますよう進めて参ります。
最後に、UEDA学習塾は個人塾です。大手の塾のような情報力はございません。中学受験専門のクラスもありません。しかし塾生の中には、中学受験を目指している小学生もいれば、難関高校を目指す中学生もいます。また、受験に関係なく苦手な国語を克服するために通ってくれている小中学生もいます。さらには書くことが好きな高校生・大学生もいます。これからの時代、益々必要とされる文章力、コミュニケーション力強化のため、UEDA学習塾を広くご活用いただければ幸いで す。
2021年4月 UEDA学習塾 塾長 上田和寛